台北から十分へ、台鉄の旅 〜アクセスを徹底解説&ランタン上げ体験〜
何千、何万ものランタンが夜空に舞い上がる光景はなんとも幻想的でうっとりしちゃいますよね。きっとみなさんもテレビや雑誌で一度は目にしたことがあるでしょう。
台北では、十分(シーフェン)と平渓(ピンシー)の2ヵ所でランタン上げを体験できますが、今回は、より知名度の高い「十分」へのアクセスをご紹介します。 記事の後半では、私、ここむーのランタン上げ体験レポを公開しますのでどうぞお楽しみに!
十分へのアクセス ①:所要時間の確認
まずは路線図をご覧ください。 色が異なるのでお分かりかと思いますが、台北から十分までは直通ではなく、途中の「瑞芳(ルイファン)」という駅で平渓線への乗り換えが必要です。 台北駅から瑞芳までの所要時間は 40 分~ 1 時間。そして、瑞芳から揺られること約 30 分で十分に到着です。瑞芳での乗り換え時間を含めると、台北から十分まで合計1時間半~2時間はかかると思ってください。
十分へのアクセス ②:時刻表の見方、乗り換えのコツ
ここが一番大事ですね。ランタンは、夕方から夜にかけての遅い時間帯に上げたほうが幻想的な雰囲気が味わえ、インスタ映えも確実…だとは思いますが、平渓線は1時間に1本しか走らない超ローカル線なので、終電を逃すと大変なことに。 私の場合、両親が九份も十分も両方行きたいと欲張ったので、午後に十分 → 夕方に九份という順番で回ることにしました。
では、台北を何時に出発したら良いのか、まずは時刻表を見てみましょう。台湾鉄道の
時刻表検索ページにアクセスしてください。
※「台湾鉄道」と検索すると日本語のページがヒットしますが、こちらは乗り換え検索ができないうえに切符の予約時にエラーが出ますのでおすすめしません。
「到達站」の區域/支線をクリックし、一覧から平渓/深澳線を選択。右側の車站は十分に変更。
次に、右下のカレンダーから日付を選択。日時は 00:00 ~ 23:59 のままで OK。ここまでできたらページ右下の查詢ボタンをクリック。
すると、上方にメッセージが現れます。「十分までは直通じゃないですよ~」というお知らせなので無視。OK を押すと、台北 → 瑞芳、瑞芳 → 十分の時刻表が表示されます。
さて、ここからは、どの列車の何時発で行くかを決めていきましょう。 まずは列車の種類から確認。ざっくりまとめると以下の表のようになります。
車種 | 分類 | 運賃 | 指定席 | 予約 | 切符 | 悠遊カード |
區間車 | 普通 | NTD49 | なし | 不可 | 可 | 可 |
區間快 | 快速 | NTD49 | なし | 不可 | 可 | 可 |
自強 | 新快速 | NTD76 | 全席※ | 可 | 可 | 可 |
莒光 | 新快速 | NTD59 | 全席※ | 可 | 可 | 可 |
普悠瑪 | 特急 | NTD76 | 全席 | 要 | 要 | 不可 |
太魯閣 | 特急 | NTD76 | 全席 | 要 | 要 | 不可 |
列車によってメリット・デメリットがあるので、ご自身が何にこだわるかで乗り分けましょう。例えば、交通費を節約したいのであれば區間車か區間快が最安となりますが、乗車時間が長く座れる保証もありません。逆に、ゆったり座りたいのであれば普悠瑪か太魯閣が全席指定で且つ乗車時間も一番短くなりますが、運賃は高くなります。とは言っても日本円にして 320 円弱ですから安いもんです。
※ちなみに、自強と莒光は全席指定の予約制ではあるものの、予約していなくても悠遊カードでサッと乗れちゃいます。その場合は原則として立ち乗りなんですが、指定席券を持っている人が来るまでは空席に座れるという暗黙のルールがあるんですよねー。まあ、なかなか空席なんてないですが(笑)。
次に、何時頃に十分を出発したいか、というところから台北出発の時間を逆算しましょう。私の場合、17:00 前には九份に着きたいなと思っていたので、十分を遅くとも 16:00 には出発しないと間に合いません。
ここで、十分での滞在時間をざっくり見積もります。ランタン上げ体験では、ランタンに願い事を書いたあと乾かすのに少し時間がかかります(墨汁をたっぷりつけて書いてしまった場合は特に!)。 また、上げるタイミングでちょうど列車が来てしまった場合には線路が空くまで待たないといけませんし、混み合っている場合には他のお客さんが上げ終わるのを待たないといけません。こうした待ち時間を考えると、ランタン上げ体験だけで 40 ~ 50 分くらいは見ておいたほうがいいですね。
さらに、老街で食べ歩きをしたいとか、瀑布にも行きたいという欲張りさんはもう1時間くらいプラスしましょう。合計で、余裕を持って2時間強といったところでしょうか。 そうすると、14:00 には十分に到着していたいのですが、ちょうどピッタリがなく、13:27 着か 14:27 着というなんとも中途半端な時間しかありません(笑)。 私はもちろん 13:27 着を選びました。
ということは、台北からは ❶11:20 発の區間車、❷11:54 発の莒光、❸12:09 発の區間快の3つのどれかに乗れば良いということになります。普通なら瑞芳での乗り換え時間が一番短い経路 ❸ を選択するでしょう。でも私は前回、區間車に乗車して瑞芳まで座れなかった苦い経験があるので、必ず座れる経路 ❷ を選択しました。 もし台北から十分まで1時間半も立ちっぱなしだったら、十分につく前にヘトヘトですからね。体力は温存しておくに限ります。
莒光は全席指定なので切符の予約も忘れずに!予約についてはまた後ほど解説しますね。前日の 24 時までに切符を受け取り、当日は4番ホームを目指してください。 そうそう、ちょうどお昼の時間帯なので、余裕があれば台鉄便当を買っておいてゆったり車内で食べるのも良いですよ。食べ終わる頃には間もなく瑞芳に到着です。
ここで少しだけ台鉄便当(駅弁)の紹介をしますね。 写真は、台北駅1階にある「臺鐵便當本鋪」1号店。営業時間は 8:30 ~ 20:00 ですが早めに売り切れることもあるので注意。 排骨(パイグー)便当 60 元。ちなみに八角排骨便当は 80 元。 中身はこんな感じ。大きな排骨に味付き玉子、湯葉、ゆで野菜とボリューミー!一度食べたらやみつきになる味です。
十分へのアクセス ③:瑞芳での乗り換えと平渓線乗車について
瑞芳に到着後、駅の表示に従って3番ホームへ移動。
待つこと 10 分くらいでしょうか、列車が早めにホームに入ってきたので平渓線もまたまた余裕で座れました。 むしろ経路 ❸ の列車で来た人たちは乗り換え時間が短いことがアダとなり、座れないうえに満員のなか辛そうでしたね~。
さて、平渓線の乗車方法についてです。切符?それとも悠遊カード?知らない土地での乗り換えって不安だと思うのでここはしっかり押さえておきましょう。 私の場合、台北 → 瑞芳は莒光(全席指定)に乗車なので切符を利用しましたが、瑞芳からは1日周遊券か悠遊カードのどちらかで乗車となります。
※なお、台北から悠遊カードで乗車した場合はそのまま十分までカード1枚で乗車可能です。
瑞芳 → 十分の運賃は悠遊カードなら片道 20 元なので、単に往復するだけなら悠遊カードを利用するほうが断然おトクです。 この場合、瑞芳に到着後、ホームにあるカードリーダーにタッチ、十分でもカードリーダーにて清算という手順を踏みます。
ただ、私はカードリーダーがどこにあるのか探すのも不安でしたし、タッチを忘れてカードにロックがかかるのも怖かったので1日周遊券を購入しました。
コレです ↓
販売価格は 80 元。十分以外に猴硐(ホウトン)や平渓など、平渓線の多くの駅を利用する場合は一般的に周遊券のほうがおトクと言われていますが、この周遊券さえカバンに入れていればカードリーダーで清算する必要もなく、十分到着後すぐに動けるので便利です。また、周遊券は回収されることがないので旅の記念に取っておくこともできますよ。
周遊券の購入場所は2ヵ所です。1つは台北駅。1階の大広場のすぐそば、12 番窓口にて販売しています ↓
もう1つは瑞芳駅の3番ホームを出たところ ↓
こちらで買う場合は一度外に出てから購入後に再入場する必要があります。
また、時間帯によってはかなり混み合うので、乗り換え時間に余裕がない場合は台北出発前に周遊券を購入しておくのがベストですね。
指定席切符の予約と受け取り方法
指定席切符の予約は乗車日の2週間前から可能となります。人気の列車や時間帯はすぐに売り切れてしまうので、予約できなかった場合に備えて代替プランも練っておくとスムーズです。
まず、乗り換え検索結果ページにて、予約したい列車の番号(車次)をメモしておきます。次に椅子のマークをクリックすると予約ページにジャンプします。 なお、こちらは台湾在住の方専用のページなので、ページ右端のオレンジのボタン「外國旅客」をクリック。
そうすると予約に関する注意事項が英語で表示されるので、ページ右上の言語一覧から日本語に切り替えてください。念のため印刷するかスクリーンショットで保存しておくと良いでしょう。
注意事項が確認できたら、「home」真上の「片道乗車券予約」をクリックするとプルダウンで選択肢が出てくるので一番上の「列車番号で~」を選びます。※往復で乗車する場合も片道ずつ予約してください。そのほうが後で楽です。
パスポート番号など必要事項を入力します。ちなみに出発駅/到着駅コードですが、台北は 100、瑞芳は 089 です。予約ボタンを押すと「立ち上がり画面」に移動しますので、6ケタの記号を入力しいざ「予約」へ! この時点で空席があれば写真のように「予約成功」となります。空席がなかった場合は「予約ミス」と表示されるので別の時間帯の列車で再トライしましょう。
予約枚数や列車番号などに間違いがなければ「ネットにて支払い」から支払ページに移動します。※ただしここからは言語が英語か中国語のみになります。
チェックボックスにレ点を入れ、「開始付款購票」をクリックすると、次のページではパスポート番号と予約番号がすでに入力されているので、特に問題なければ「送出」をクリック。 「成人票」から必要枚数を選択し「確認」へ。この後クレジットカード番号や有効期限の入力を済ませ、エラーがなければ予約完了となります。
支払い後、予約番号など切符受け取り時に必要な情報が表示されるので、印刷するかスクリーンショットで保存しておきましょう。
予約した切符は台北駅やセブンイレブン等のコンビニで受け取り可能ですが、コンビニの場合、1枚発券につき手数料が8元かかるので台北駅での受け取りがおすすめです。
駅構内の随所に「對號列車自動售票機」と書かれた機械があります ↓
※「對號列車」とは指定席列車のことです。
機械に近づくとこのような画面が表示されています。
切符の受け取りなので3番目のボタンを押下。
ネットでの予約時に使用したパスポート番号を入力し「確認」をクリック。
次の画面で今度は予約番号を入力し「確認」をクリックすると往復切符の購入が必要か聞かれますが、ここでは「没有」を選択してください。
その後、発券する切符の詳細が表示されるので問題がなければ「確定」ボタンを押下。これで発券完了!復路の分も予約している場合はこの作業を繰り返し行ってください。
十分到着!いざランタン上げ体験
はい、十分に到着しました。列車を降りたら、とりあえず反対側のホームへ。 すると駅舎のおばちゃんが切符をチェックしているので周遊券をすかさず見せましょう。この時、悠遊カードで乗車してきた人は清算のためそのまま直進して駅舎へ向かってください。
駅舎を振り返るとこんな感じです。十分で降りる人ってこんなに多いんですよ~。駅舎での清算も混み合いそうですね。
さて、老街(商店街)へ向かって歩いているとランタン上げのお店のスタッフさんが話しかけてきます。いわゆる客寄せです。
スタッフさんについていくとメニューを渡されるので、どのランタンが良いか選びます。
1色なら 150 元(約 550 円)、カラフルなら 200 元(約 740 円)です。私はいろいろ願い事を書きたかったので赤、黄、青、ピンクの組み合わせにしました。
ランタンの種類を選んだらスタッフさんが竿にランタンをセッティングしてくれるので、備え付けの筆で願い事を書いていきます。このとき、墨汁をたっぷりつけてしまうと液が垂れてきてホラーみたいになるので注意しましょう(笑)。 まず2面を書き終えたら少し乾かし、スタッフさんに OK だと声をかけましょう。そのあと面を変えてくれるので残りの2面も書いていきます。
ROUND TAIWAN とここむーの名前もしっかり書いておきました(笑)
書き終えたら線路に出ていざランタン上げです!
まずはスタッフのおっちゃんが4面をそれぞれ撮影してくれます。撮り終えたら中に火を付けますがまだ手を放しちゃダメですよ!
この状態で写真を撮ってから、おっちゃんの「三、二、一、放!」の合図でランタンを放ちます。このお店のおっちゃんはすごく親切で、ランタンを放つ瞬間を動画で記録してくれました。前回、平渓でランタンを上げたときはただの連射だったので、動画はありがたいです。
ごくたまにですが、ランタンに火を付けたとき、風があまりに強いと燃えてしまうことがあります。こんな感じ ↓
老街を歩いていたら燃えてるランタンを発見して、ブログ用にと急いでシャッターを切りました。両親には「やめなよ~」と言われましたが、こういうのレアですからね!おそらく老街の線路はお店に挟まれていることもあり、ビル風のような感じで風が強いのでしょう。
さて、燃えてしまったらどうなるか…ズバリ、書き直しです。せっかく書いたのに残念ですよね。ただし二重に料金がかかることはありませんのでご安心ください。
まとめ
ランタン上げ体験のあとは、十分老街で食べ歩きやお土産選びをするも良し、吊り橋から自然あふれる景色を眺めてのんびりするも良し。ぜひ十分のノスタルジックな雰囲気を存分に堪能してくださいね!
最後に、十分に行かれる皆さまにとって本記事がバイブル的な存在になれば幸いです(^^)/